筋肉痛が起こる仕組み

【筋肉痛】筋肉痛が起こる仕組みと、回復・予防の方法について

久しぶりの運動や普段しないような動きをすると誰しも一度は経験したことのある「筋肉痛」が生じます。できるだけ避けたい筋肉痛と筋肉疲労ですが、なぜ起こるのかというメカニズムを知っている方は少ないのではないでしょうか。

今回の記事では、筋肉痛が生じる原因とそれに対する回復・予防法について紹介していきます。

筋肉痛のメカニズム

そもそも筋肉痛とは、運動などによって生じる筋肉の痛みです。この痛みが生じるメカニズムは未だ不明な部分が多く、解明されていないのが実情です。

以前は、筋肉痛は運動をすると疲労物質である乳酸が蓄積されることにより、筋肉痛を引き起こしていると考えられていました。

しかし、最近では乳酸はエネルギーとして再利用できることが分かり、疲労物質ではないのではないかという説も出てきました。

そこで新たな説として、筋繊維の損傷を修復する際に炎症が起こって痛みを引き起こすのではないかという考えが出てきました。他にも、エネルギー源である筋グリコーゲンが少なくなるからなどのことも関係していると考えられています。

また、筋肉痛は筋肉が引き伸ばされながら大きな力を出す動き(伸縮性収縮)で起きやすいとされています。筋肉が収縮する方向とは反対方向に引き伸ばされながらもブレーキをかけるような動きをすると、筋繊維が傷つき筋肉痛が起こるとされています。

脱水により筋肉痛が起こる

脱水により血液の循環が悪くなり、酸素不足や周囲の細胞から発生する代謝産物による刺激が起こることも筋肉痛の原因の一つとして考えられています。

乳酸について

筋肉が収縮するためのエネルギーは、筋肉に蓄えられているグリコーゲンが分解されることで産生されています。

そして、この過程で同時に乳酸も作られています。また、乳酸の効果として、血管新生や傷の修復促進など体のとって良い効果があります。

筋肉痛の種類や加齢との関係性

筋肉痛は大きく分け2種類に分かれています。

即発性筋痛

運動した直後や運動している最中に起こる筋肉痛です。激しいトレーニングをして筋肉に強い負荷がかかり、過度の緊張状態が続くと血の巡りが悪くなり筋肉の代謝物である「水素イオン」が溜まりやすくなり筋肉痛が起こるとされています。

遅発性筋痛

一般的な筋肉痛を指すのは、この遅発性筋痛になります。運動後、数時間~数日の間に起こります。

また、この遅発性筋痛になりやすいのが筋肉を伸ばしながら力を入れて行う伸縮性運動です。

年齢と筋肉痛・筋肉疲労の関係性

「年を取ると筋肉痛が遅く出る」ということを聞いたことがあると思います。この説に関しては実情まだ明確になっていませんが、下記2つのことが原因であるのではないかとされています。

運動不足

年齢を重ねるごとに、若い頃と比べて運動をしなくなる方が多いと思います。筋肉を使用する頻度が高く、筋肉が活性化されている場合はすぐに筋肉を回復させようとするため筋肉痛の症状が早く出ます。

反対に、筋肉が活性化されていない人の場合は2~3日後に筋肉痛の症状が出ます。

つまり、同じ年齢でも日頃から運動や筋トレをしている方は翌日には筋肉痛になるということが分かります。

運動する種類の違い

若い頃のように激しい運動をしたり、同じ量の筋トレをするのは年を重ねと難しくなります。

それは、だんだんと激しい運動やトレーニングをしなくなっていくからです。

そうすると、筋肉量が減少していき普段やっていない運動をすると筋肉痛が遅れて出ます。このようなことが加齢と結びつけられてしまっているのかもしれません。

筋肉疲労を感じるメカニズム

長く走っていると疲れを感じて、段々と足が上がらなくなってくることがあります。運動中のこのような反応は筋肉疲労が原因で生じています。

また、筋肉痛の原因の一つともされています。

この時体には、筋肉の柔軟性が低下して可動域が狭まるという変化が起こっています。原因はまだ解明されていませんが、下記3つのことなどが考えられます。

エネルギー不足

スポーツ活動中は、多くのエネルギーを必要とします。このエネルギーが不足してしまうと筋肉を動かしずらくなってきてしまいます。

疲労物質の蓄積

運動をして体内のエネルギーを消費して体を動かすと、その過程で疲労物質が溜まってきます。この疲労物質の蓄積が筋肉疲労の原因となります。

運動不足による筋肉の緊張

体を動かさないことで疲労が起こる場合もあります。例えば、仕事で長時間同じ姿勢で座っていたら、腰や肩、首が痛くなった経験はないでしょうか。

血行が悪くなり、筋肉が緊張しっぱなしになっているとそのような症状が起こります。また、疲労物質が流れにくくなるため、慢性的な疲労へと繋がります。

筋肉痛・筋肉疲労を予防する方法

予防するためには、日頃から運動習慣をつけておくことや、血行促進と栄養補給を心がけることです。

運動するときはストレッチや軽い体操などのウォーミングアップを行い、血行を改善して筋肉の柔軟性を促しましょう。また、怪我の防止にもなります。

さらに、疲れにくい体を作るにはバランスの良い食事を心がけ、エネルギー源となる炭水化物、タンパク質を摂取することが大切です。ビタミンやカルシウム、亜鉛なども積極的に摂取しましょう。

お風呂にしっかり浸かって温めることも予防に繋がります。

筋肉痛・筋肉疲労を早く治す方法

ここでは、筋肉の回復を促す方法について紹介していきます。

アイシング

熱を持った部分をアイシングで冷やすことにより早く治る効果が期待できます。激しい運動やトレーニングの後は、筋肉が痛くなり熱を持つことがあります。その場合は、筋肉をアイシングや氷などで冷やし、痛みを伝える神経の伝達速度を抑えることが可能です。

さらに、炎症を抑える効果もあります。

1日に約10分~20分程を運動後24時間以内に行うと効果的です。

ただし、冷却することで血流を悪くすることにもなるので筋肉が熱を持っている当日のみ使用するようにしましょう。

お風呂に入る

運動後お風呂に入ると、全身を温め血流をよくする効果があります。さらに、血液が筋肉の回復に必要な酸素や栄養素を運んでくれるだけでなく、新陳代謝も促進されて回復が早くなります。

ただし、運動直後の筋肉に熱を持ったままの状態でお風呂に入ると、血流が良くなりすぎて、酸素や栄養素が回復したい筋肉だけに送られないため、逆効果です。

熱が引いてから入浴することをオススメします。

ストレッチで筋肉をほぐす

筋トレや運動後は筋肉が固くなり血流が悪くなっていて、痛みの原因にもなります。ウォーキングや水泳などの軽い運動をすることで筋肉をほぐし、血流をよくすると回復が早まります。

回復に効果的な栄養素を摂取する

筋肉に一番大切のタンパク質はもちろん、回復に効果的な食品やサプリメントを摂取することで早期回復に繋がります。

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しっかりとした睡眠をとる

睡眠は、筋肉痛のみでなく精神面などの疲労回復においても効果があります。また、良質な睡眠をとることによって成長ホルモンが分泌され、筋繊維の回復にも効果的です。

目安としては、7~8時間ほどの睡眠をとり、ゆっくり体を休めましょう。

「超回復」について

筋肉痛になると筋肉がもっと強くなろうとして、傷ついた筋繊維を以前より太くして大きくしようとします。筋肉痛の前の状態に戻すだけでなく、より筋肉を強くさせようとする現象のことを「超回復」といいますこれを繰り返すことで、より筋肉が強く太くなろうということです。

*こちらの記事に超回復について詳しく書いてありますので参考にしてみて下さい。

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筋肉痛が残っていても筋トレしていいか

継続して筋トレをしたい人にとって、筋肉痛が無くなるまでトレーニングをしないことはとてもキツいことだと思います。

しかし、筋肉の回復には48~72時間必要なため、筋肉痛が終わるまでは筋繊維に新たな傷を与えない方が良いです。

筋繊維が傷ついた状態で筋トレをしても筋肉が大きくなりにくい上に、逆に筋肥大の妨げになってしまいます。どうしても筋トレしたい場合は、筋肉痛のない箇所を鍛えるようにしましょう。

筋肉痛にならないと筋トレの効果が出ていないのか

筋肉痛は、筋繊維の損傷を回復してさらに太くなるために起こります。そのため、以前筋肉痛になった時と同じトレーニングをしても筋肉が成長しているため、筋肉痛になりません。

つまり、筋肉痛にならないのは以前より筋肉が付いた証拠になります。

筋肉痛にならないトレーニングでも効果はありますが、より効果を出すためにも負荷を徐々に上げてみるのも良いでしょう。

まとめ

筋肉痛や筋肉繊維は、誰にでも起こりうる症状です。メカニズムを知って予防や早期回復を心がけましょう。